俯きがちな私

俯きがちな私、心はここにない

遠い記憶のなかに散在している

仮面舞踏会で賑わう会場の外

月光に悶える噴水が、せきあえぬ露のしぶきを飛散させるように

私の心は、暗く光る凍てつく地面に閑寂とする

声がきこえた、優美で謙虚な優しい声だ

遠くの方から、形のないものが届くのだ

東雲の煌めきの穏やかな暖色が地面に照り初める

俯きがちな君、けれど微笑んでいる

君の瞳はちゃんと私の心を映すことができるだろうか