2020-05-24 あなたの姿なき声が 涙をちゃんと流せていたのなら この手が冷たくなかったのなら 悲哀に呑まれた心でなかったのなら あなたの強さに応えられたのだろう 優雅にしな垂れた優しい髪を撫でることも 俯きがちな微笑みを覗き込むことも 私の秘密を打ち明けることも すべて、できたのだろう そうして、あなたの姿なき声が響きだし 暗闇にいる私にさえ届くのだ 苦悶の故の歓喜があると 私の心へ、そう諭すように