2020-01-01から1年間の記事一覧

あなたの姿なき声が

涙をちゃんと流せていたのなら この手が冷たくなかったのなら 悲哀に呑まれた心でなかったのなら あなたの強さに応えられたのだろう 優雅にしな垂れた優しい髪を撫でることも 俯きがちな微笑みを覗き込むことも 私の秘密を打ち明けることも すべて、できたの…

駆ける、青空のもと

駆ける、青空のもと、堤の道 左にダム、右に木立 左にプール、右に川 ここも一つの沙汰の境 鼓動が弾む度、叫びたくなる けれど、私一人ではない 叫びは鳥に任せよう その代わり、心で静かに私は叫ぶ、世界にむけて 毎秒ごとの新境地 悔恨も羨望もなく、私は…

自由への

胸が疼く 癒えない傷にふれるたび 心が燻る 籠のなかの小鳥が啼鳴するたび 強さが欲しい 雲霧を切り裂く私の翼 自由のための

孤独

沈黙の傷み 消えない痕跡 欺く私、欺かれる私 暗闇の本性 閃く真実 愛しき孤独、私の前触れ

サイテーな世界

生きるということは、殺すということ されど生きよう、たとえ残酷な世になろうと 清らかな幻惑が、常に味方をするのだから

去った過ち

良心を持つ人は自分の過ちに苦しむ その苦しみが罰であり、監獄である ドストエフスキーいわく

ブラックミラー ランク社会

Netflixのオリジナル作品に「ブラックミラー」というものがある。イギリス製作のドラマシリーズ。世にも奇妙な物語に近未来という舞台設定を施したような感じで、一話完結なため見やすい。私が好きな理由が近未来に対する風刺を描いているところだ。現在でも…

BLEACHの詩が好きなのです

言葉に姿があったなら 暗闇に立つきみに届きはしないだろう BLEACH 72巻 巻頭ポエムより

雨の日に

露でいっぱいな窓の向こう 君に調子を合わせる雨にしなだれた髪 君のリズムを供にする幼気な外套 君は激しく舞い、穏やかに微笑む すべての苦しみを受け入れるように すべての愛を奔流させるように 僕を諭すように雨との軽妙なダンスを愉しんでいる

あなたは私を

あなたは私のそばに居たい近づく あなたは私を感じたいと触れる あなたは私に与えたいと微笑む そうやって、あなたは私のことを知ろうとする 私でさえ私のことを知らないというのに

あなたの心

あなたの 挫けそうな心を支えることができたなら 沈淪する心を醒ますことができたなら 凍てつく心を覆うことができたなら 澱みゆく心を焙じることができたなら 私の心は報われます あなたの心に情熱が灯るのだから

俯きがちな私

俯きがちな私、心はここにない 遠い記憶のなかに散在している 仮面舞踏会で賑わう会場の外 月光に悶える噴水が、せきあえぬ露のしぶきを飛散させるように 私の心は、暗く光る凍てつく地面に閑寂とする 声がきこえた、優美で謙虚な優しい声だ 遠くの方から、…

ラ・ロシュフコー

愛の喜びは愛することにある。そして人は、相手に抱かせる情熱によってよりも、自分の抱く情熱によって幸福になるのである。 岩波文庫 ラ・ロシュフコー箴言集 より抜粋

人を愛そう

やっとだ、やっと気づいたのだ。 真に美しいものを既に知っていた。 畏怖か猜疑か、そうしたものから目をそらさずにはいられない憂鬱があっただけだ。 なんて無粋なことだろう。 あぁ今度こそ、私は愛す、愛すぞ!! あの伏見がちな微笑みの幸福を、求めてや…

我が精神

我が精神が湛える恍惚たる陶酔の秘奥 悲鳴に穿たれた我が実意の標石 寂寞の裡より滲み出でる我が哀願 我が、我が哀傷、塞き敢えぬ赤い涙よ 染め上げろ、汝の褥

未来への畏怖

未来への畏怖がある 省く人類の行く末に 古来の人智の忘却に 末枯れる未知への関心に 明滅する信号さながらに、我らは既に堕ちている 暫しの暇を なぜなら我らは知っている 緑林の褥から頭をもたげ、仰ぎ見る蒼穹の壮観を 苔むす険阻な道の果て、山頂より展…

自由という刑罰

人は時として束縛による安閑を求める。「人間は自由の刑に処せられている」はフランスの哲学者サルトルの言葉。この金言は良いものとして考えられやすい自由という言葉を皮肉って、自由というものの両面性に気づかせてくれる。私も自由という概念が好きだが…

BLEACHの詩が好きなのです

そう、我々に運命などない 無知と恐怖にのまれ 足を踏み外したものたちだけが 運命と呼ばれる濁流の中へと 堕ちてゆくのだ BLEACH 6巻 巻頭ポエムより

私の愛しき人生

映画には喜劇と悲劇がある。通底するものは悲劇性だ。それがあって初めて物語となる。人生も同じだ。ただそれを愉悦ととるか、懊悩ととるかで生き方は違える。私は後者をとる。悲哀にこそロマンがある。私の人生を映画のような物語にするために私は甘んじて…

受容

受容。すべからく、人には違いがある。優劣ではない相対的な差だ。同質か異質か。そこにできる人間の齟齬に人は易々と敵を見出そうとする。異端をみつければ、忽ち、迫害に勤しむ暴徒と化す。ネガキャン、特定の人を誹謗中傷し、貶め、蔑み、相対的に自分の…

夕日

私のことを 追いやる擾乱 逃さぬ憂悶 かたどる寂寥 私はついに悟りだす 有為転変のこの世の理 されども、ついに感じだす 我が無為を 壮大に壮麗に 落暉が彩る空のさま

疼き

私の疼き どこからともなく現れる 疼きの度にあの表象 戦慄く至純、掴んで放さず 朧ぐ沙汰、霞む真意 ああ疼く、私の真実

ロマン

宵のしじまが私を醒ます 悟性の介在を許さぬ酩酊 耽溺し、沈淪する あなたの湛える甘美な泉に

信頼

私は間違っていた。なんという痛恨か。支配を嫌悪する私にもそのきらいがあったということだ。嫌うということは、その対象に関する衝動が私の内部にあることの証明に他ならない。これは心理学でいう投影というものだ。支配を嫌い、服従を嫌い、そして、その…

自殺

自殺をする人がいる。自分の命を絶つほどに追い詰められ、孤独になった人。死を選択するまでにどんな過程があったのか、どんな事情が潜んでいたのか、痛みか、煩悶か、虚無か。人はなぜ自殺をするのだろう。自殺は死を選ぶ人の感慨が真実であることの証明に…

真実

過去にのみ真実がある。私がのこしたもの、軛をつけた牛が牽引する牛車の轍のようなもの。軛をつけていたという真実。愚かしく、浅ましい過去の私よ、私は今、悲哀の裡にいる。どうか私よ、未来の私、繰り返さないでおいてくれ、真実は美しく飾り付けたいも…

沈黙

語らないあなた 見せないあなた 隠すあなた 偽るあなた 懶惰で臆病で優しいあなたよ、教えてほしい、沈黙のわけ

孤独

傷心の孤独 昇華の孤独 手放す孤独 掴んだ孤独 雑踏の孤独 静寂の孤独 敵か味方かわからぬ孤独

人の心が好きだ。映画や詩からそれを感じ、心理学からそれを学んでいる。心といっても漠としすぎていて、捉えようにも難しいものである一方、人の言動すべては心に帰着するとも思えるほどに身近なものともとれる。浅慮な私がこれ以上提言するのは野暮だが、…

心の疼き

私の心が影に覆われるのを日々感じていた。思考の隙を与えられることもなく戦いは終結し、声を荒げる間もなく論議に幕が下ろされた。意思は陰り、視界は曇り、呼吸を忘れ、光を失う。私の内側で何かが響く、されども芽生えたその叫びが喉をとおり、世に轟く…