集団

集団という言葉にどんな印象をもつだろうか。私は怖いという印象だ。私には神経質なところがあって、雑多にものを考えてしまう傾向がある。この傾向が集団でいるときに発揮されてしまい、私の発言に対する評価や、ほかの人の一挙手一投足の機微についてを詮索してしまう。それ故にとても心身が疲労してしまうのだ。また、集団は均質性や斉一性を求めるもの、それは良くも悪くも個人の個性を潰し、没個性化を促進させるという心理学的裏打ちもある。こうした文脈から言えること、それは自由の喪失だ。集団に統制を利かせるためには画一的な指示に対する御多分に漏れない参与が条件となり、それに随従できぬものは異端分子となって、どうにもいたたまれない状況になる。即ちそれは集団内において暗黙裡に形成された同調圧力への隷属だ。端的な話だが、大なり小なりその要素は往々にして実感してきた。そうした集団のしじまから徐に忍び寄る束縛や支配が私は怖いのだ。自由は美しいものだから。