傍観者

物事に真剣になったことなんて今までほとんどなかった。私は何かに必死になることがダサいことだとどこかで思っていたのだと思う。そうやって斜に構えて、シニカルな態度でいることで自分を守っていたのかもしれない。当事者になることなく、あくまで傍観者でいることに徹していれば衝突や葛藤を避けることができる。そうやって私は幸福を見逃してきた。昔ある人が「野次馬はだせー」という言葉を吐いたのを覚えている。記憶しているということは、そのことが重要だということの証だろう。私はその頃から傍観者でいることを嫌悪していた。そして、その感情と行動が一致していない自分のことも嫌悪すべきだった。当事者になることが大切なのだ。誰かの支持に従い続けるのではなく、能動的に自分から動くべきだ。幸いにも私はやりたいことがある。ようやく見つかったのだ、いるべき世界にたどり着いたのだ。私はこの世界を守り、そして、豊かにしようと試みる。